母の鼻歌
全てが上滑りで静寂も凄いって思ったら、
テレビも何も付いて無かった自分の部屋ですが、
皆様こんばんわ。
てか今日もギターソロ弾けませんでした。
先日からピックをアコギ用のにして(凄い昔に買ってた)
少しは速さに付いて行けるようになったのですが、
多分ギターのネックが反ってんのが不味いんだろうなと、
買った時は真っ直ぐだったし、調整すればいいんだけど、
家に合う工具が無い。
以前amazonで買おうとした事があったから、
深い所のお気に入りに入っているのかも知れないけど、
出来ればこのままで弾き切りたいなと、
「面倒くさがりでしょうか?いいえ誰でも」
と金子みすゞに心癒やされつつ
万年冴えないのは多分自分のこう言う部分だろうなと。
で本題なんですが、母の鼻歌が凄いです。
何が凄いって、気が付くとずっと歌い続けてるんです、
朝でも夜でも、いい年だから、呆けてるからと言うより、
昔から口笛ばかり吹いている人だったんだけど、
「おじいちゃんがあまり好きじゃないから」って、
封印しちゃって、鼻歌になったんですと。
まあ父は前時代の人だから「女が口笛吹くのは下品」とか、
小学校の頃夜にリコーダーの練習すると「蛇が出る」だの、
ミスター教育勅語かよって位、色々口うるさく、
もし反論でもしようものならブチ切れ最悪、
その辺のものぶん投げる最低な奴でしたが、
79才になっても未だに、その性質は変わる事が無いので、
私は出来るだけ関わりたくないし、多分死ぬまで、
心から打ち解ける事など無いのですが、
母の口笛が聞けなくなったのは何となく寂しいし、
最後の最後まで妻に、
自分の好みを押し付け続けるのはどうなのかと、
で肝心の母の歌なんですが、
無限ループでメドレーしている鼻歌が、
何の曲なのか、全然分からない。
で、今日初めてそれに突っ込んだんですが、
「昔の歌よ」と、ついさっきまで歌っていたのを、
もう一度再現してもらったら、まあ古い事古い事。
自分は青春時代が80年代だったけど、更に遡って、
幼少時にギリギリ自分が聞いた事、
あるか無いかの曲だったのですが、
これが次から次へと忘れていた歌の、
歌詞まで鮮明に思い出すのですって。
って事は、あの口笛もきっと、
その頃の歌を吹いていたのだろうと思われ、
私も歌は好きな方だけれど、真の歌好き大賞は母なんじゃねと、
そう言えば父は昔は音楽が大好きで、
舶来のクラッシックレコードもいっぱい所有し、
車にはカセットテープのケースが幾つもあり、
常に音楽に塗れていた人なんだけど、
近年は音楽など、全く聞くことが無くなった。
父は歌を習った事など無くても、私なんかより全然上手くて、
死んだ母方の祖母が、
「巌さんは本当に器用でなんでも出来て凄いね」と、
私の学生時代にはカーステで安全地帯を聞いたり、
井上陽水などを気に入って歌っていたのですが、
今や全く鼻歌さえ歌う事が無くなったのは何故なのだろうと。
母曰く「子どもの頃は遊びが本当に無かったから、
歌う事が唯一の娯楽だった」って、
私は其処で思わずグッと来てしまったんですが、
母は昭和17年生まれで、幼い時に東京大空襲で焼け出され、
餓死寸前の暮らしで育った世代で、綺麗な人形なども勿論無く、
せいぜいが祖母がこしらえた、お手玉や紙で作った姉さん人形などで、
幼少時を過ごしていたんだと想像しますが、
その中でも、歌っている時が一番幸せだったんだろうなと、
「童謡歌手になるのが夢だった」母に育てられた私は、
やっぱり童謡を聞かされて育ったし、
板橋の小学校に上がると直ぐ、
紙で国旗を作らされ「白地に赤く日の丸染めて」と、
声を高らかに歌い上げていたのを覚えていますが、
頑張って頑張って祖父や親父の世代が働き、
戦後復興し栄えた日本が今や不景気もいい所、
風前の灯火なんて、それはただ天災や、
リーマンショックだけのせいじゃない。
日本人が日本人として存在する権利を手放しつつあるから。
敗戦国の侘しさとひもじさを必死に埋めるように、
金を稼ぎ続け、エコノミックアニマルとまで指差された日本人は、
今や死に絶えました。
そして私はそれが、父の歌が消えてしまった事とは、
決して無関係だとは思えません。
最早流行歌さえ生み出せない、作り出すことさえ出来ない日本国。
次女の高校では年々生徒会立候補者が減り、
今度こそポストが埋まらず、全ての行事が凍結されそうです。
とても行事に力を入れて来た学校なのに、何故?
それは現政府が打ち出して来た「教育改革」の混乱が、
即座に生徒に伝わった、
私から言わせれば「至極当然」な結果です。
国のトップがトップらしくリーダーシップを取るどころか、
ミスリード、いえアンダーコントロールなどと、
耳慣れない言葉で福島の原発事故の大きさを歪曲し、
強引に招致したオリンピックでさえ、今や大失敗しようとしている。
ええ、反論は多数あるでしょう。
しかし考えてみて下さい。精神論や根性論で、
放射能に汚染された地域が元通りの安全な土地になるでしょうか。
IOCは最初から全部お見通しで、時期を見計らって、
札幌開催を押し付けて来たのです。
そんな無責任過ぎる政治をリアルに見ている子どもたちが、
例え学校規模クラスのリーダーだとしても、
負担に感じ、勉強に専念した方が良いと、
自己保身に走るのも当たり前の事です。
子どもは大人の鏡です。お願いですから総理、
これ以上嘘や国会での醜態を重ねないで下さい。
マスコミの皆様は、報道陣としてのプライドが残っているなら、
どうぞ事実を報道して下さい。
このまま国が傾けば、いずれあなた達の仕事も無くなりますよ。
そして父と母には、
これ以上日本が悪くなる前に、この世を去って頂きたいと思います。
大人が起こした戦争のために、
幼少時から青春時代の幸せを犠牲にして生きて来た人たちが、
最後にまたもう一度、苦しむ事が無いように願ってやみません。
第一章 オノリエコ